飲むヒアルロン酸サプリメントの効果について

140最近、患者さんから 「関節の痛みに対して、飲むヒアルロン酸サプリメントの効果はあるのだろうか。」という質問を よく受けます。

これに対する答えを 日本整形外科学会のホームページから 引用(※)させていただきました。
「ヒアルロン酸は、関節内投与(注射)に関しては、膝関節と肩関節のみ保険(診療報酬)で公的に認められています。これは科学的データに基づき有効性が認められているからです。

お尋ねのヒアルロン酸の経口摂取の有効性については、現在のところ相反したデータが出されています。ただ有効と結論づけたデータも自覚的に痛みが良くなったというものであって、例えばX線(レントゲン)検査などで改善したというような科学的データではありません。

単純に考えれば、ヒアルロン酸のような巨大分子は腸管で吸収される時分解されてしまう筈ですから、直接関節に行って良くなるとは考えにくいと思います。すると次には分解されたとしても軟骨の材料を提供するわけだから良いはずだという反論が考えられます。
しかし、現在の飽食の日本で若者と年配者で食事の内容が変化して、年配者ではヒアルロン酸の材料が不足するということも考えにくいでしょう。関節症の問題はむしろ受け手の代謝過程に問題があるというほうが考えやすいと思います。
さらに自然ではありえない程の大量投与をしたら効果が出ないかといえば、それは分りません。結果は存じませんが、以前アメリカでもビタミンCの大量療法が行なわれたことがあると聞いたことがあります。

一般にサプリメントとして販売されているものは、科学的データとして有効性が認められていないために保険では認められていません。しかし、全く効かないというデータもないのです。あるいは個人差があるということも可能性としてはありうると思います。

従って日整会では、『これは無効であるから飲むな』と言うことを公式に述べることはできないのです。既にこれらを飲んでいるかたの場合は、ご本人が判断し、有効でないものは続けないようにしていただきたいと思います。
現在市販されているのものでも、科学的に有効性が明らかになれば将来厚労省が薬として認めることになると思います。」

※引用元のページ > 日本整形外科学会 [サプリメントの効果について]