LED ZEPPELIN Ⅳ(LED ZEPPELIN)

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LED ZEPPELIN Ⅳ( LED ZEPPELIN ) / 1971年11月8日発売(英)

LED ZEPPELIN の粋を集めた最高傑作と評価されていますが、「Stairway to Heaven- 天国への階段」 が収録された 世の中で一番有名なZEP のアルバムと言った方が最も的確でしょう。

1 曲目はハイトーンのボーカルと独特のギターリフから始まる Black Dog ですが、複雑なリズムでボーカルとギターが絡み合う まさにハードロックの典型と言った曲でアルバムの1曲目にふさわしい曲です。この曲の始まりのリフは  ジョン・ポール・ジョーンズのアイデアとされています。このあたりから ZEP の作曲における彼の役割がだんだん大きくなって行き、後のアルバム Houses of The Holy, Physical Graffitiなどでは重要な役割を果たしていた様です。
2曲目の Rock and Roll は これこそ ZEP の曲の中でも一般の人に最も分かりやすい形の曲で モンスターロックバンドたるZEP の真骨頂です。彼らもこの曲を気に入っていたらしく、多くのコンサートで演奏しています。

そして 「Stairway to Heaven- 天国への階段」 ですが、LED ZEPPELIN は知らなくてもこの曲を聴いたことのある人は多いでしょう(最近、某TVドラマの主題歌になっていました)。20世紀を代表するrock の名曲の人気投票でも1位または常に上位にランクされています。ジミーペイジは早くから「静かに始まって徐々に盛り上がってゆく長い曲」という曲の構想を 持っていたらしく、具体的な作曲は1971年初め、彼らが4枚目のアルバムを作成のため合宿したハンプシャーの古邸宅で進められたとされています。歌詞が 公開されたのはこの曲が初めてで ロバートプラントの作と言われています。
ZEPの魅力がすべて凝縮されたと言ってもよい曲で、前半のアコースティックな部分から後半のギターソロに移り、緊張感が高まり、やがて雄大なクライマックスに至るという劇的な展開はすばらしく、この曲を何度聴いても 飽きが来ない理由でしょう。

ロック界以外の音楽業界からも評価が高く、クラシック界の巨匠、ヘルベルト・フォン・カラヤンが 「私が オーケストラで演奏するとしても これ以上のアレンジを必要としない名曲」と絶賛したという有名な話があります。
ところで後半に移る部分の有名なギターソロは ギブソン・レスポールでなく フェンダー・テレキャスターを使ったらしいとされています。

アルバム後半の4曲は私はどうも好みではなく、アルバムトータルとしてみた場合、LED ZEPPELIN II の方を選んでしまいます。
こ の後、1973年にHouses of The Holy, 1975年にPhysical Graffiti を出すのですが、ブルースナンバーが少なくなり、特に 前者には1曲も入っていません。時代の流れと共にバンドも意図的に変わって行こうとしていたのかも 知れませんが、私の好みではありません。Houses of The Holy が出た当時、Dancing Daysの変則的な(変な)リズムには耐え切れずとても聴く気にはなれませんでした。当時、MUSIC LIFE という音楽雑誌があったのですが、新譜紹介の所に 誰だったか忘れましたが、Houses of The Holy を「なんだ これは」と一言書いていたのが 強く印象に残っています。
Physical Graffiti も続きの様なアルバムで私は好きになれませんでした。しかし、この2つのアルバムを高く評価している人も多く、これらを聴かないなら本当のZEPを理解し ていないと非難されるかも知れませんが、私が LED ZEPPELIN に期待していたものはブルースを主体としたハードロックであったのです。