AROUND THE NEXT DREAM ( BBM )

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AROUND THE NEXT DREAM ( BBM ) / 1994年5月発売

元CREAM の ジャック・ブルース、ジンジャー・ベーカーが ゲイリー・ムーアと結成したグループです。

ゲイリー・ムーアは 1952年生まれのギタリストで 1980年代までは ハード・ロックのギタリストでしたが、1990年に Still Got The Blues というアルバムをリリースしてからブルース中心のギタリストとして活躍してきました。彼のアルバムについては別の機会に触れますが、ギタリストとしての評価は高く、レスポールの使い手としても有名で、またバラードにおいてギターを泣かせるテクニックの持ち主として最高峰の1人に挙げられています。さらに時代や流行に左右されない頑固一徹ぶりもあり、評論家からは人間国宝と形容されたこともありました。しかし、残念なことに2011年2月に旅先のスペインで 58歳で急死してしまいました。

CREAM のメンバーとの出会いは 1993年の ジャック・ブルースのバースデイ・コンサートへの参加の時で、これが きっかけで、1994年に BBM が結成されたとされています。このアルバムを聴いてみると、CREAM 解散後、エリック・クラプトンが CREAM の音楽から離れた活動をしたのに対し、他の2人は CREAM の音楽を続けたかったことが推測されます。そこで クラプトンの代わりに選ばれたのが ゲイリー・ムーアだったのでしょう。アルバムの内容は CREAM 的なブルース・ロックですが、彼らの様な大物職人が集まると この様なすごい作品が出来るものだと驚かされます。

このアルバムにおける主人公は ジャック・ブルースではなく、ゲーリー・ムーアです。彼の このアルバムにおけるブルース・ギターのメロディー・ラインや泣きのギターのインパクトは 完全にジャック・ブルースのベースのそれを上回っています。全曲すばらしいと言ってもよいのですが、7. Why Does Love ( Have To Go Wrong )? , 8. Naked Flame は 泣きのギターの聴ける名曲です。ロック通には必ず気に入ってもらえるアルバムと思います。

ジャック・ブルースという人は グループ内で常にリーダー的存在でいないと気にいらない人らしく、クリーム解散後は 誰と組んでもうまくゆかず、 ずっと鳴かず飛ばずの状態が続いていました。このグループも案の定、このアルバム1枚で終ってしまいました。
しかし、このすばらしいアルバムもあまり売れなかった様です。宣伝がうまくなかったのか、時代がこの様な音楽を既に受け入れなくなっていたからではないかと思われます。