ABRAXAS ( SANTANA )

SANTANA は 1966年、サンフランシスコで結成された SANTANA BLUES BAND が前身で その後 SANTANA と改名し、1969年 正式にデビューしています。
デビューと同時期の Woodstock Festival に出演し その時の熱演で有名になりました(写真左)。

1999年に発売され、グラミー賞史上最多の 9部門を受賞したアルバム「SUPERNATURAL」以降の SANTANA しか知らない世代には 想像がつかないかも知れませんが、デビュー当時の SANTANA は西海岸のヒスパニック系ダウンタウンの暗い汚いイメージで ドラッグ・酒・女の臭いを漂わせたバンドでした。ギターの カルロス・サンタナはメキシコ系のラテンリズムを ブルース・ロックと融合させて ラテン・ロックというジャンルを確立した第一人者と言われています。この ABRAXAS(天の守護神)は バンドにとって初の全米1位を獲得したアルバムで SANTANA の作品の中でも最高位に位置するアルバムとされています。
1曲目の Singing Winds, Crying Beasts(風は歌い、野獣は叫ぶ)は、これから とてつもないことがおこるのではと予感させる風の音とピアノが絡む静かなイントロに 徐々にカルロス・サンタナのサスティーンの効いたギターが入って、そしてラテンパーカッションが加わるという それまでのロックにはなかったジャズ風の曲です。この曲が終わると間をおかずに始まるのが 呪術的なオルガンのイントロが印象的な SANTANA の最も有名な曲である「Black Magic Woman / Gypsy Queen」です。

この「Black Magic Woman」という曲は SANTANA の オリジナルと思っている人が以外に多いのですが、実はイギリスのブルース・バンド Fleetwood Mac の名ギタリスト ピーター・グリーンの作曲です(下の写真が有名なジャケット)。この曲の カルロス・サンタナによるラテン・ロック流のギター・アレンジは見事です。この曲の他にも Oye Como Va(僕のリズムを聞いとくれ)、Samba Pa Ti(君に捧げるサンバ)などで聴かれるカルロス・サンタナのマイナーな鳴きのギターは日本人に受けるはずです。