MEDDLE – おせっかい ( PINK FLOYD )

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MEDDLE – おせっかい ( PINK FLOYD ) / 1971年11月発売

MEDDLE(おせっかい)は前作のATOM HEART MOTHER(原子心母)からちょうど1年後の1971年11月に発売されたPINK FLOYD にとって7枚目のアルバムです。アルバム・ジャケットは前作同様ヒプノシス(Hipgnosis) が手掛けています。公式の発表がないのでよくわかりませんが、裏ジャケットにある巨大な耳と表ジャケットの波紋が最後の曲「Echoes」のイメージを表しているとする解釈もあります。

本アルバムはSyd Barrett 脱退後、初めてバンドのみの手によって作り上げられた完全なオリジナル作品です(前作はRon Geesinがアレンジを担当)。わずか1年前に発表された壮大な組曲「ATOM HEART MOTHER」と同じ組曲「Echoes」を含んだこのアルバムの成功で彼らの人気は決定付けられました。本作品は前作のAB面を逆にしたような構成になっていますが、前作で行ったようなオーケストラとの競演をやめ、録音技術を駆使してロックバンドのみでできる最高の音つくりを目指したことが特徴です。その点でサウンドのダイナミックスさは前作よりもシンプルになってしまいましたが、詩的なイメージはさらに広がり、ボーカルや演奏自体はさらに奥深くなったと感じられます。

前半のメインは1曲目の日本でも大ヒットし、アブドラ―・ザ・ブッチャーの入場テーマ曲にもなった「吹けよ風、呼べよ嵐ーOne Of These Days」です。PINK FLOYD らしい素晴らしい曲で、綿密に計算された録音テクニックの粋を集めて構成されています。特筆すべきは冒頭での不気味なベースによる効果音です。最後の「Echoes」でもそうですが、ベースによる効果音が実にうまく使われていて曲の神秘さを演出しているのがこのアルバムに見られる特徴です。

続く「A Pillow Of Winds」 から「Seamus」 までは前作のB面を構成していた曲と同類でアコースティック・サウンドを中心としたものですが、フォークっぽい曲、ブルージーな曲が多く聴けます。

そしてこのアルバムの大本命は23分27秒におよぶ超大作「Echoes」です。この作品は Progressive Rock の代表作ともいえる名作です。しかもこの作品には難解なところがなく、非常に分かりやすいというのが特徴です。この作品は4つか5つかのパートで成り立つ、いわゆる組曲で前作「ATOM HEART MOTHER」の流れを組むものと考えてよいでしょう。自然の音、電子楽器による効果音のパート、ボーカルのパート、ギター・キーボードが中心となる演奏のパートが組み合わされて1つの壮大な組曲が構成されています。前作でも見られましたが、作品全体に漂う何とも言えない「浮遊感」が聴く人にとって非常に心地よく、23分はあっという間に過ぎてしまいます。

この「浮遊感」を感じさせるサウンドのの最大の主役はDavid Gilmour の弾くFender Stratocaster で、 このアルバム以降のPINK FLOYD のアルバムではGilmour のギターが彼らのサウンドの中心となりました。

そして名曲「Echoes」の誕生が次の名盤「THE DARK SIDE OF THE MOON -狂気」へとつながっていきます。