BLUES FOR SALVADOR ( CARLOS SANTANA )

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BLUES FOR SALVADOR (CARLOS SANTANA) / 1987年10月発売

Carlos Santana のソロ作品として 1987年に発表されていますが、あまり知られていないと思います。しかし タイトル曲の Blues For Salvador は その年のグラミー賞の Best Rock Instrumental Performance 部門を受賞しています。

バックのミュージシャンが当時の SANTANA バンドのメンバーとほとんど同じなので ソロとバンドの名義の区別はないと考えてよいと思います。しかしCarlos Santana の Jazz への傾倒は強く、アルバムを売るためにPop 路線を歩まざるを得なかったバンドとしてのSANTANA とは別に 自分のやりたかったことを優先させたアルバムの1枚です。 このアルバムでは Jazz ミュージシャンの Tony Williams (ドラム)と共演しているのが興味深い所です。また 全体的に この頃のトレンドである Fusion や Funk の影響が強く見られるのも特徴です。

1曲目から かつてのスリリングな Carlos Santana のギターが炸裂し、強烈なラテン・パーカッションと絡み合うおなじみの SANTANA サウンドを聴くことができますが、以前のラテンの泥臭さが消え、代わりに Fusion の味付けがされています。2曲目の BELLA という曲は いつもの Santana とはやや違う 限りなく美しいギタートーンで穏やかに弾きこなされた大変すばらしい曲です。3曲目以降は Jazz やブルース、ラテン調のアレンジに加えて ハードロック調のアレンジも加わり、Carlos Santana の絶妙の早弾きのギターが全体を引っ張ってゆく曲ばかりです。

そして このアルバムのクライマックスは最後にやって来ます。最後の曲 Blues For Salvador はその名のとうり、ブルースギターソロをたっぷり聴くことのできる曲です。Carlos のワウを駆使した鬼気迫るギタープレイはすばらしく、まさに渾身の作品と言えるものです。SANTANA ファンには是非聴いて欲しい曲です。