LED ZEPPELIN I (LED ZEPPELIN)

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LED ZEPPELIN I ( LED ZEPPELIN ) /1969年1月12日発売(英)

BeatlesのABBEY ROADを書いてほっとしたところで いよいよLED ZEPPELINです。

私がBeatlesと同じくらい好きなグループです。あのギターリフは強烈です。35年以上も頭の中を回り続けていて離れません。何かに集中しようとするとWhole Lotta LoveやImmigrant Songのあのリフが出てくるのです。50代半ばになるオジサンが聴いて今でもカッコいいと思ってしまう所がLED ZEPPELIN のすごいところでしょう。

1969年はABBEY ROADが発売された年でBeatlesが最高峰ではあったものの、この頃 既にジミヘンドリックスやクリームがロックの新しい流れを作っていました。しかし 彼らは ロックを大きく変えたのですが音楽がやや難解でマニア受けしたものの、一般大衆受けしてレコードが爆発的に売れたわけではありませんでした。ところが1969年1月にLED ZEPPELIN(日本ではツェッペリンとドイツ語読みしていますが、ジミーペイジはインタビューでは英語読みでゼッペリンと言っています)の1st アルバム、LED ZEPPELIN I が発売されると新世代のロックファンから熱狂的に受け入れられました。LED ZEPPELIN (以後ZEPと略す)は エリッククラプトンやジェフベックを生み出したYardbirds最後のギタリストとなったジミーペイジが各パートのメンバーをそろえて結成されたグループです。

ところがこのメンバーが偶然性も加わってオーソリティーとも言えるとんでもない力量のメンバーだったのです。ボーカルのロバートプラントはペイジの大音量のギターを物ともしない音域の広さと声量で世界のロックボーカリストの中でも最高峰に数えられています。ベースのジョン・ポール・ジョーンズのベースプレイは高く評価され、Beatlesのポールマッカートニー、The Whoのジョン・エントウィッスル、Creamのジャックブルースらと共に近代ロックベースの創始者とされています。そして何といってもドラマーのジョンボーナム(ボンゾというニックネームが有名)は ZEPの最大の魅力とされ、その強烈なドラミングは70年代以降のロックドラミングの原型にして理想像とされ、後世のドラマーに与えた影響は計り知れないものがあります。

一方でジミーペイジはこの頃の三大ギタリストと言われていますがその技量に対する評価は様々です。私はbootleg(海賊盤)を集める趣味があり、公式には出ていないZEPの1969年ぐらいから解散する1980年ぐらいまでのコンサートのbootlegを持っていますが、素人の私が聴いて本当にギターがうまいと思うのは1975年ぐらいまでで その後は 弾き間違いが多かったり、チューニングがおかしかったりとさんざんなコンサートが時にあり(もちろんbootlegの名盤と言われる1977年のListen to this, Eddieなどの名演奏もあるが)、他のメンバーにずいぶん助けられていることが結構あります。薬物中毒が原因とされていますが詳細は不明です。しかし 早弾きだけが得意のギタリストは他にいくらでもいますが、ペイジの優れているところは 後世に残るようなすばらしいギターリフを数多く作った作曲家としての才能やZEPのレコードをすべて自分でプロデュースしたプロデューサーとしての才能でしょう。

前置きが長くなりましたが、LED ZEPPELIN I は Yardbirdsのツアーで演奏した曲をレコーディングしたため わずか36時間で完成したとされています。ロックの名曲は,ギターリフ 一発で決まるというジミーペイジの言葉どうり、はじめから終わりまで一度聴いたら忘れられないリフの嵐です。とにかく一度聴いてもらいたい。今聴いても興奮してくるくらいなので デビュー当時のZEPがどれ程 画期的にカッコよかったかが想像できるでしょう。

このアルバムから1曲を選ぶとしたら Good Times Bad Timesでしょう。2007年の再結成コンサートでも1曲めに演奏されました。Communication Breakdownもいいのですが ボンゾの超人的なドラムが聴けるのでこの曲を選びます。
とにかく このアルバムは70-90年代の様々なロックのルーツと言ってもよいでしょう。
なお ジミーペイジと言えばギターはギブソンレスポールですがこのアルバムは全曲フェンダーテレキャスターを使っているそうです。