ABBEY ROAD (The Beatles)

ABBEY ROAD ( THE BEATLES ) / 1969年9月26日発売(英)

一番初めに持ってくるアルバムは これしかありません。
なぜなら 私の音楽の趣味も このアルバムからすべてが始まったからです。
私の人生で最も大切なものの1つがこのアルバムであり、このアルバムと共に人生を歩んできたと言っても大げさではありません。この偉大な音楽遺産を一度も聴いたことがないというのは人生における大きな損失であると言っても過言ではないでしょう。すべての人に是非一度は聴いてもらいたいと思います。
私はこのアルバムに対する並々ならぬ思い入れから ロンドンのアビーロードスタジオを7回も訪れているし、1993年には遂に第2スタジオに入ることができました(下の写真)。

発売は LET IT BEより先ですが、レコーディングされたのは こちらの方が遅いため、実質的にはビートルズ最後のアルバムと言えます。そして、SGT. PEPPERと並ぶ彼らの最高作と評価されています。レコーディングセッションの記録を見ると このアルバムでは LET IT BEで見られたグループ内の対立感情はほとんど鳴りを潜めたが、ビートルズの4人がスタジオに揃うのはベーシックトラックを録音する時だけでオーバーダブの大半はソロレコーディングの形で行われたとされています。

このアルバムの なにがそんなにすごいかと言うと、ビートルズというグループの全員がすばらしいソングライターであり、すごいプレイヤーであることを改めて実感させられるからです。ポールのベースプレイは以前から高い評価がありましたが、Something や I Want You でのベースラインはすばらしく、それだけでも曲になってしまいそうです。ジョージのギターもこのアルバムでは特に光っており ギブソン レスポールをメインギターに全曲にわたり すばらしいギターリフを作り出しています。普段目立たないリンゴのドラムも Come Togetherや The End では派手でサウンドの要となっています。また The End では初めてドラムソロを聴かせてくれます。
ビートルズがすぐれたコーラスを聞かせてくれることは案外 認識されていませんが、このアルバムではボーカル面でのコーラスの多用が目立っています。 Because や You Never Give Me Your Money. The End での彼らのコーラスは実にすばらしく、効果的です。

曲では後半(LPではB面)のバラードの連なりはすばらしく ローリングストーンズ誌に B面だけで SGT. PEPPERより価値がある と絶賛されました。圧巻は、本当にビートルズの最後の曲となった The Endでの3人のギターバトルです。G(ジョージ), P(ポール), J(ジョン)が P,G,J,G,P,Jの順でリードを取っています。ジョンのディストーションが強くかかったリードプレイが耳に残ります。そしてこの曲の最後の一節で And in the end, the love you take is equal to the love you make―の一言を残し、ビートルズはファンへの別れを告げたのです。
この曲が終わった後の奇妙な静けさが 印象的です。

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上の写真は アビーロード第2スタジオ内部です。 私の左にあるピアノは ポール・マッカートニーも使ったことがあるそうです。